弊社顧問先を含めた様々な方々より多くの質問を頂いておりますので、EC・ネットショップにおける消費税対応に関し、下記の通り弊社としての見解・取り扱いを公表させて頂きます。

なお、下記の内容は平成26年1月26日現在で公表されている情報に基づき整理しております。内容は今後、変更される場合がございますのでご留意ください。また、EC・ネットショップ以外については別の取扱となる場合もあります。

いつから消費税は8%になる?

消費税は平成26年4月1日をもって5%から8%に増税となります。では、ネットショップにおいてはどのタイミングで増税となるのでしょうか。

売上は「発送日」で判断

売上は発送日で判断することが一般的です。したがって、受注日と発送日がずれてしまい、3月31日までに受注し、4月1日以降に発送することもあると思います。この場合、「売上」にかかる消費税は8%となります。

課税のタイミングは?

消費税5%を前提として税込価格で販売している場合でも、4月1日以降に発送になるものについて、消費税を8%という取扱になります。

但し、(1)税抜表示をしていて、(2)発送が例えば4月1日以降になる場合について、消費税8%をご負担いただきます、と明記している場合、消費税8%で請求することも可能です。

したがって、税抜で表示を行い、税率アップのタイミングを商品や店舗のページに明記していなければなりません。

実際にはどうする?

Yahoo!!ショッピングでは平成26年4月1日0:00に一斉に消費税率を8%に変更する措置を講じる一方、楽天市場では各ショップに任せるという方針となっています(平成26年1月26日現在)。

通常、外税にて商品登録を行っていると思いますので、楽天市場に出店されている方は、平成26年4月1日0:00に、消費税率を一斉に8%に増やす処理をすることになります。

しかし、多少のタイムラグが生じるでしょうし、実際には平成26年3月31日までの受注分で、4月1日以降発送分もあるわけですから、8%での請求・売上計上となるタイミングは店舗によっては変わることもあると思います。

問題は、一旦消費税5%で受注したものを、あとから消費税8%で請求することが可能であるかどうか、です。

制度上は可能(むしろ、8%で請求しなければならないの)ですが、受注タイミングが微妙な、平成26年4月1日0:00前後のお客様の対応や、実務上、あとから消費税額変更を行い、再処理を全件することはなかなか大変なため、すべての取引に関して画一的に消費税負担を求めることは難しい場合もあると思われます。

したがって、本来は消費税5%の前提で販売したものの、国に納税する額は消費税8%、総額は変更なしとなることで、多少の損税の発生があるかもしれません。この点は失注や評価引き下げを防ぐことを優先するか、損税を出さず画一的な処理を優先するかで対応が分かれることになると思います。但し、消費税分値下げ・値引き等の表示は不可ですので、ご留意ください。

以上、参考にして頂ければ幸いです。

(文責:税理士 八木橋泰仁)

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